五百万石の酒米の特徴から有名銘柄まで!これを知らずに日本酒は語れない!?

五百万石の特徴
酒猿
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この記事では、五百万石の特徴や、五百万石を使用した人気銘柄を紹介するですたい!

日本酒を造る上で大切なものと言えば「酒米」。そして、その酒米として長らく頂点に君臨していたのが今回ご紹介する「五百万石」です。

この記事では主に、

  • 五百万石の特徴(品種特性)
  • 五百万石の産地
  • 五百万石の味わい
  • 五百万石の人気がある日本酒銘柄

こういったことをまとめています。

今は山田錦の人気が高まっていますが、いつ五百万石の時代が再臨するか分かりません。その時に備えて五百万石に詳しくなっておきましょう。

酒猿
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山田錦に抜かれた2001年まで、長らく作付面積で1位に輝いとったですたい!今でも西の横綱「山田錦」、東の横綱「五百万石」と言われるくらい有名な酒米ですたい!

五百万石の特徴!系譜・産地・日本酒の味わいまで

特徴

それでは、ここからは五百万石の特徴について見ていきましょう。

五百万石の系譜

五百万石の系譜

出典農研機構 イネ品種・特性データベース

五百万石の系譜を辿っていけば、今や幻の酒米と呼ばれる神力、そして最古の酒米として知られる雄町に辿り着きます。(当たり前かw)

五百万石は新潟県で1944年に開発されました。この時は交系290号という名前です。

その後、新潟県で奨励品種として品種登録され、1957年に今の呼び名である五百万石になりました。

酒猿
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ちなみに五百万石という名前の由来は、「新潟県の米生産量が500万石を突破したこと」にちなんで付けられたとですたい!

五百万石の特徴(品種特性)

五百万石の品種特性のメリットとデメリットを挙げると以下のようになります。

五百万石のメリット
  • 大粒で心白発現率が高い
  • 麹が造りやすい
  • 早生(わせ)なので収穫時期をずらせる

まずはメリットです。

五百万石は粒や心白が大きいので、酒米として必要なものを兼ね備えていると言えます。また、麹も作りやすいので、この辺りが日本酒に多く使われる理由かもしれません。

ちなみに、早生とは「田植えや稲刈りの時期が早いこと」を指します。

ちょっと分かりくいと思うので、早生と対照的な「晩生」である山田錦と比べてみます。

・五百万石(早生):田植え4月、稲刈り8月下旬
・山田錦(晩生):田植えを6月、稲刈りを11月

こういったように、田植えや稲刈りの時期が異なります。

このように時期が異なることで、農家さんの繁忙期を分散させる事ができる酒米ということですね。

日本酒の味などには関係ありませんが、五百万石を造ってくれる農家さんが多くないと、そもそも日本酒ができないのでメリットとして挙げてみました。

五百万石のデメリット
  • 耐冷性や耐倒伏性に弱点
  • 病気(白葉枯病)に弱い
  • 高精白が難しい

次に五百万石のデメリットですが、以上のようになります。

ちょっと漢字が多いので補足しますが、「耐冷性」は寒さに弱いこと。「耐倒伏性」は倒れやすいことです。

さらに病気にもかかりやすいので、育てるのが難しいというのが五百万石のデメリットなんですね。

また、高精白が難しいというのもポイントです。

精白とは、お米を削ることですが、五百万石では心白が大きいため、中々50%以上削ることは困難です。

一般的に日本酒は、高精白であることが高級酒となり、評価も高いので、高精白をするのが難しい五百万石はココが一番のデメリットになるかもしれません。

酒猿
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五百万石で精白を50%以上している「大吟醸クラス」は手間がかかるので、値段が高くなりやすいとですたい!

五百万石の産地

五百万石の主な産地 生産量
新潟県 9,696トン
富山県 3,320トン
福井県 3,319トン
石川県 1,107トン
福島県 950トン

出典酒造好適米の農産物検査結果(生産量)と30年産の生産量推計

五百万石の主な生産地は、新潟県・富山県・福井県などの北陸地方です。

ですが、広い範囲で見ていけば、九州の大分などでも栽培されています。

酒猿
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酒米の種類別に生産量を知りないなら、こっちの記事も参考にするですたい!

五百万石の日本酒の味わい

味わい

五百万石で造られた日本酒は、淡麗でスッキリとした辛口のお酒になります。また、透明感があり、クセがないのが特徴です。

酒米の王様と評される山田錦は、豊潤でコクがあるので、飲み比べてみると味わいの違いが分かりやすいと思います。

酒猿
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淡麗と聞くと「?」が浮かぶかもしれんが、口当たりが軽いってことですたい!ただ、この辺りの感覚は、おいどんのごつ飲み慣れんと分からんかもしれんですたい!(ドヤッ!)

【日本酒】五百万石の有名銘柄

五百万石の銘柄

それでは、ここからは五百万石で醸した有名な日本酒の銘柄をご紹介していきます。

久保田 純米大吟醸

日本酒を知らない人でも名前は聞いた事があるかもしれません。実はこの久保田のほとんどの種類で酒米に五百万石を使用しているんですよ。

果実感があるフルーティーな香りと、滑らかな甘味、そして後味にはキレが心地よい日本酒に仕上がっています。

このお酒を飲めば、なぜここまで知名度があるのかが実感できると思います。

酒猿
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久保田と言えば萬寿!という人もおるかもしれんが、価格が…。じゃが、こちらのお酒はコスパが良いとですたい!
精米歩合 50%
アルコール度数 15度
使用酵母 非公開
おすすめの飲み方 冷やして
価格(720ml) 1,570円

〆張鶴(しめはりづる) 純 純米吟醸

五百万石を使用したお酒にしては珍しく、ふくらみがありお米の旨味を感じる事ができる日本酒です。

もちろん、新潟のお酒らしく後味にはスッキリしたキレがあるので、飲み飽きせず色んなツマミにも合わせる事ができます。

精米歩合 50%
アルコール度数 15度
使用酵母 非公開
おすすめの飲み方 冷や~ぬる燗
価格(720ml) 1,500円

臥龍梅(がりゅうばい) 純米吟醸 袋吊り雫酒 生原酒

袋吊り雫酒と言って、人工的な圧力をかけずにお酒を絞った贅沢な日本酒です。

フルーティーで上品な香りと、口に含んだ時の淡麗辛口の味わい。これぞ五百万石!と唸るお酒です。

ちなみに、臥龍梅の種類によっては五百万石以外の酒米(山田錦、越淡麗、雄町)も使用しているので、機会があれば飲み比べてみるのもアリだと思います。

酒猿
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「袋吊り雫酒」=袋から垂れる日本酒だけを集めているので、雑味がなく美味い部分だけを絞った日本酒ですたい!
精米歩合 55%
アルコール度数 16~17度
使用酵母 非公開
おすすめの飲み方 冷やして
価格(720ml) 1,589円

農口尚彦研究所(のうぐちなおひこけんきゅうじょ) 山廃 五百万石 無濾過生原酒

酒造りの神様と呼ばれる農口尚彦杜氏の技術などを、継承する目的で開設された研究所のお酒です。

香りは甘くも酸味が際立つフルーツのようですが、味わいは滑らかでコクがある優しさが口の中に広がります。そして、後味には五百万石の特徴でもあるスッとしたキレもあります。

日本酒単体でも楽しめますが、後味のキレによって、肉料理など脂が多い料理でも美味しく飲める日本酒です。

酒猿
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飲んでみると従来の日本酒という概念が覆される日本酒ですたい!石川県おそるべし!
精米歩合 65%
アルコール度数 19度
使用酵母 非公開
おすすめの飲み方 冷やして
価格(720ml) 5,500円

澤屋まつもと 守破離(しゅはり) 純米 五百万石

香りは清涼感があり、フレッシュな印象です。味わいも香りから連想するように、非常に透明感があり、シャープなキレが心地よく舌を過ぎ去るイメージです。

食中酒として完成された味わいで、刺身などと合わせるならコレ!という一本です。

ちなみに開封した当初は微発泡も味わえるので、唐揚げなんかと合わせても幸せになれるお酒ですね。

酒猿
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この日本酒の発泡は、発酵した時に出る自然な炭酸ガスですたい!
精米歩合 65%
アルコール度数 15度
使用酵母 非公開
おすすめの飲み方 冷やして
価格(720ml) 1,320円

五百万石のQ&A

Q&A

なぜ五百万石の生産量は落ちたの?

五百万石の生産量が落ちたのは、山田錦の人気に火が付いたのだけではないと思っています。ただ、私の憶測になりますので、適当に聞き流して頂ければ幸いです(笑)

一番の原因は、飯米(コシヒカリ)の台頭だと思います。五百万石の産地と同じ新潟県では、魚沼産コシヒカリという、飯米の中でトップブランドのお米があります。

実は、このコシヒカリと五百万石を販売価格で比べると、コシヒカリの方が圧倒的に高いんですよね。

つまり、五百万石を栽培していた農家の方々が、コシヒカリの栽培に切り替えたことで、五百万石の生産量が落ちた。こういった理由が考えられます。

まとめ

以上が五百万石の特徴についてでした。

日本酒としての五百万石は淡くて辛口の味わいが特徴なので、食中酒として合わせやすい味わいになっています。

好き嫌いは個々の好みによりますが、今回の内容が参考になれば幸いです。

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酒猿
日本酒をこよなく愛する酒猿と申します。自分が好きな日本酒を発掘するのはもちろん、味の好みを聞いて合いそうな日本酒をプレゼンしたりしています。目標は日本酒の知名度アップと、今まで飲んだ事がない人にも美味しさに気づいてもらうこと。宜しくお願いします!
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